水槽に発生するコケの種類と原因

2019年4月8日

水草水槽・アクアリウムに発生するコケの種類と発生原因

水草水槽やアクアリウムをはじめて、まず悩まされるのがコケの発生です。綺麗な水槽をイメージして水槽を立ち上げたつもりが2~4週間目でコケが発生して、そこから1~2か月も過ぎるとコケの発生が広がり見苦しい状態になってしまうことがあります。アクアリウムは「コケを制する者がアクアリウム(水草水槽)を制する」といっても過言ではありません。まずはコケの発生しやすい環境を知りコケの発生の原因を理解することがコケを制する第一歩になります。

1.コケの発生しやすい水槽を知る

コケの発生しやすい水槽は大きく3つのケースがあります。

コケの発生しやすい水槽を知る
コケの発生しやすい水槽を知る
  • 1.立ち上げ初期の水槽は水槽を立ち上げてから1~2ヵ月程度は水槽内のバクテリアの活動が安定せずコケが発生しやすいです。
  • 2.飼育数が多い水槽はコケの原因の大きな一つは魚に与える餌に影響します。この餌の量に比例して汚れや栄養分が蓄積してコケが発生します。
  • 3.バランスが悪い水槽は光量、CO2量、栄養分のバランスが取れていない水槽です。水草を育成するための強い光量や肥料がCO2量や水質の影響によってうまく吸収できずにコケの原因になることがあります。

2.コケの種類からわかる水槽の状態

発生したコケの種類やコケの状態を観察することで水槽の状態が把握できます。水槽の状態は「水槽が安定しない時期に発生しやすいコケの種類」と「水槽内の栄養分によって発生しやすいコケの種類」の二つのケースに分けてコケの種類を紹介します。

コケの種類からわかる水槽の状態
コケの種類からわかる水槽の状態
水槽が安定しない時期に発生しやすいコケの種類

水槽を立ち上げた2~4週間程度の時期や水槽内のろ過が安定していない時に発生しやすいコケの種類があります。

茶ゴケ(珪藻)

薄っすら茶色したコケがガラス面や水草の葉などに付くのは茶ゴケ(珪藻)という種類です。茶ゴケ(珪藻)は、水質が安定すると自然消滅することが多く水槽を立ち上げたばかりのバクテリアが活性化していない初期に発生しやすいです。除去には水替え頻度を増やして、ヤマトヌマエビやオトシンクルスの投入が効果的です。詳しい茶ゴケの発生原因と抑制対策はこちらの記事をご覧ください

茶ゴケ(珪藻)
茶ゴケ(珪藻)

アオミドロ(緑藻)

水草の葉に糸状に長く伸びた状態や水草全体にとろんとした状態に絡みつくのはアオミドロ(緑藻)という種類のコケです。アオミドロ(緑藻)の色は水槽の栄養分によって白、茶色、緑まで色や長さが変化します。CO2を添加して強い照明の水草水槽で発生しやすいコケです。茶ゴケ(珪藻)とは違い一度発生してしまうと自然消滅することは少なく、掃除やヤマトヌマエビなどによって除去する必要があります。詳しいアオミドロの発生原因と抑制対策はこちらの記事をご覧ください

アオミドロ(緑藻)
アオミドロ(緑藻)

水槽内の栄養分によって発生しやすいコケの種類

水槽を立ち上げ3~4週間目以降に発生する栄養分が原因で、発生しやすいコケの種類を紹介します。

薄い緑色のコケ

水槽内に栄養分が蓄積すると最初に発生するコケは水槽のガラス面に薄っすら緑色したコケがつきます。この薄い緑色のコケの発生が少ない水槽ほど、余計な栄養分が少ないということになります。また水槽を立ち上げて初期の1~5週間の間にでるようでれば、バクテリアによってアンモニアが分解され栄養分が発生した証拠になります。そのためバクテリアの分解された栄養分を水替えを増やして除去する必要があります。重要なのはこのコケが大量に発生する前に水替えを行う必要があります。除去方法は水槽の掃除の際にコケをこすり落とします。詳しいガラス面に付く緑色のコケの発生原因と抑制対策はこちらの記事をご覧ください

薄い緑色のコケ
薄い緑色のコケ

糸状のコケ

糸状のコケは水草の葉などに白色や緑色の産毛状や糸状に付きます。このコケも水槽の栄養分によって長さや色を変えます。特に水草水槽のような強い照明では熱帯魚を入れだしてから発生しやすいコケです。また生体が多い水槽ではトリミングやリセットによって水草の光合成量が減ったり、夏の高温により光合成が減るなど、水槽内に微量の栄養分が蓄積するだけでも突然発生することがあります。除去には水替えの頻度を増やし、生体はサイアミーズフライングフォックスやヤマトヌマエビなどが効果的です。詳しい糸状のコケの発生原因と抑制対策はこちらの記事をご覧ください

糸状のコケ
糸状のコケ

黒髭コケ

黒髭ゴケは、ある程度長期的に栄養分が溜まった水槽に発生しやすいコケです。このコケが大量に発生するような水槽では水換え頻度が足りていないという証拠になります。黒髭コケは、コケが付いた部分に食酢や木酢液などを塗りつけることによって除去できます。また生体はサイアミーズフライングフォックスやヤマトヌマエビが効果的です。詳しい黒髭コケの発生原因と抑制対策はこちらの記事をご覧ください

黒髭コケ
黒髭コケ

藍藻類

藍藻類はどろっとした濃い緑色のかび臭いにおい放つコケです。安定した落ち着いた水草水槽でも発生しやすいコケです。外部から持ち込んでしまうことで発生してしまうことが多い様です。除去にはオキシドールやアンチグリーンが効果的です。詳しい藍藻類の発生原因と抑制対策はこちらの記事をご覧ください

藍藻類
藍藻類

3.コケの発生原因を知る

「安定していない水槽の原因」と「栄養分が溜まりやすい水槽」の二つのケースに分けてコケの発生の原因を探ります。

水槽が安定していない原因

水槽を立ち上げてから1~2ヵ月の期間や水槽を大掃除した際などは、水槽内のバクテリアが不安定なことが原因で水槽は安定しません。またソイルを使って水槽を立ち上げた場合は、初期のソイルからは毒性のあるアンモニアが発生します。このアンモニアが水槽を立ち上げてから2~3週間で栄養分の一つの硝酸塩に、バクテリアによって分解されます。アンモニアが分解され、硝酸塩が高くなる時期に、茶ゴケ(珪藻)やアオミドロ(緑藻)が発生しやすくなります。さらに硝酸塩が検出されるような状態(バクテリアの活動が確認できる状態)でも水槽が安定していない時期に熱帯魚を20匹、30匹と一度に多くの魚を入れるとコケの大発生の原因になります。

水槽が安定していない時期
水槽が安定していない時期

水槽に汚れや栄養分が溜まる原因

水槽に栄養分が蓄積するケースは大きく2つあります。

水槽に汚れや栄養分が溜まる原因
水槽に汚れや栄養分が溜まる原因

熱帯魚を飼育している水槽は栄養分が蓄積しやすい

コケの発生の原因は、まず飼育している熱帯魚に与えている餌の量に比例します。水槽のサイズに対して飼育数が多かったり餌の回数が多いとコケの発生リスクが高まります。水槽の大きさと熱帯魚の飼育できる目安はこちらから。さらに水草水槽の場合は飼育数の目安より6~7割程度に抑え、餌は1日回にすることでコケの発生のリスクを減らせます。

水草を育てる為の強い光量や液肥が原因になることがある

水草がうまく育たない、成長が鈍るなどを理由に光量を強くしたり液肥を与えた結果、コケを発生させてしまうことがあります。まず水草水槽での強い光量や液肥は、CO2を添加していることが前提です。このCO2を添加していない状態で強い光量を与えてしまうと、水中のCO2が限られている為に水草の光合成量は小さく栄養分を消費することなく、その栄養分はCO2を必要としないコケの栄養分になります。さらに液肥を添加すると、CO2添加がない場合は、ほとんどの栄養分がコケの成長に使われてしまいます。

4.コケの除去・駆除方法の基本

一部の茶ゴケ(珪藻)などの種類を除き、水槽内の栄養分や水質を改善してもコケの発生や抑制はできても、既に発生したコケを自然消滅させたり除去することは難しいです。つまり水替えや栄養分を完全に水槽から取り除いて綺麗な水質に改善してもコケは除去できないことがあります。その為、初心者の方は立ち上げ時のコケの発生によりアクアリウムを断念したり水槽のリセットになるケースが多いです。しかし次の4つのコケの除去・駆除の方法により既に発生したコケも水槽をリセットしたりせずに綺麗にコケを除去することが可能です。

コケが発生したら最初にすること

コケの除去・駆除に入る前に、まずは水槽内の栄養分を掃除(水替え)により除去します。掃除の際にプロホースを使い底床に蓄積した糞なども一緒に吸い取るとよいでしょう。またプロホースで吸い取れるコケも一緒に除去します。あまりにもコケの発生がひどい場合は水替えを水槽の1/3程度の量を2週間の間に5回程度する必要があります。この間の2週間の掃除と合わせ次の3つ方法でコケを除去・駆除していきます。

コケが発生したら最初にすること
コケが発生したら最初にすること

水草を枯らさずに簡単にできるコケの除去・駆除方法

コケの発生がひどくリセットを考えるような場合は、水槽の照明を10日~2週間消した状態にします。照明を消すだけで黒髭コケ以外のコケは、10日~2週間でほぼ完全に除去・駆除することができます。水草は照明が無くても10日~2週間は※枯れることなくコケだけを綺麗に除去・駆除することができます。(※水草の種類によっては一部の葉が枯れたり、溶けたりすることもありますが完全に枯れることはありません。)水槽の照明を消している間に部屋の明かりが差し込む程度なら問題ありませんが、直射日光が水槽に当たる場合は、日光を遮断する必要があります。詳しくはこちらの【簡単コケ除去方法】水草を枯らさずに10日間でコケを完全撲滅?!の記事をご覧ください。

水草を枯らさずに簡単にできるコケの除去・駆除方法
水草を枯らさずに簡単にできるコケの除去・駆除方法

エビや魚によってコケを除去・駆除する方法

茶ゴケ(珪藻)や黒髭コケには、ヤマトヌマエビやオトシンクルス、サイアミーズフライングフォックスがコケの抑制から除去まで活躍してくれます。しかしコケを食べてくれる生体もコケが抑制されずに、どんどん発生する水槽では効果が発揮でません。生体のコケの除去は、コケの発生の原因が改善された環境で自然消滅しないコケを生体が除去するという役割になります。詳しくはこちらのアクアリウム・水草水槽のおすすめのコケ取り生体の記事をご覧ください。

エビや魚によってコケを除去・駆除する方法
エビや魚によってコケを除去・駆除する方法

抑制剤によってコケを除去・駆除する方法

魚が多すぎたり、水替えが少なかったり日頃のメンテンナンスでカバーできないコケの対処は抑制剤によって除去する方法もあります。また藍藻類などはアンチグリーンのようなコケの種類に特化したコケ抑制剤もあります。詳しい抑制剤の効果を比較した記事はこちらをご覧ください

抑制剤によってコケを除去・駆除する方法
抑制剤によってコケを除去・駆除する方法

5.コケを発生させない為のテクニック

コケの無い綺麗な水槽を作るテクニックは、料理に例えるとよくわかります。料理は高級な調理器具や高級な食材を使ったからと言って、必ずしも美味しい料理ができるわけではありません。美味しい料理を作るには、さじ加減や火加減など知識や経験が必要になります。綺麗な水槽を作る場合も一緒で、性能の良いフィルターや美しい水草や熱帯魚を購入するだけでは美しい水槽は作れません。アクアリウムも料理と同じように、火加減(水替えの回数)、さじ加減(魚を入れるタイミングや数)が重要になります。

コケを発生させない為のテクニック
コケを発生させない為のテクニック

コケの原因の汚れや栄養分の確認方法

水草水槽では、コケのでない状態の良い安定した水槽では、硝酸塩やリン酸塩といった栄養分がほぼ0ppmになります。生体が多い水槽では、硝酸塩が1ppm以上、リン酸塩が0.1ppm以上になると光量が強い水草水槽では、コケが発生しやすくなります。特にCO2の添加量が減ったり、切れると水草の光合成量が減り、水槽内に栄養分が高くなりコケが発生します。たとえばCO2ボンベが切れると、その日に水槽のガラス面に薄っすらとした緑色のコケが付くことがあります。このコケの発生は、普段はCO2を添加することによって毎日排出される魚の栄養分を水草の光合成により消費されコケの発生が抑制されています。水草の光合成が減り少しでも水槽内に栄養分が蓄積すると、光量の強い水草水槽ではガラス面にコケがすぐに発生します。水槽内の栄養分の蓄積は水槽のガラス面につく薄っすらした緑色のコケの発生するスピードで確認することができます。詳しい水槽内の栄養分の蓄積スピードを確認する方法は、こちらのコケの抑制対策をご覧ください。

水替えのタイミングを知る

水替えのタイミングは、1週間に2回の水替えが必要な水槽もあれば、2週間に1回で充分な水槽もあります。水替えの回数の違いは熱帯魚の飼育数や育成してる水草の量により違いがでます。水替えは、コケが大量に発生する前に定期的にする必要があります。その水替えのタイミングの目安は、ガラス面につく薄っすらした緑色のコケの発生するスピードで、水替えのタイミングを知ることができます。水替え後に綺麗になったガラス面を、水槽の横から見て、薄っすらガラス面に付く緑のコケが付きだしたら、水槽内に栄養分が蓄積していることになります。この薄っすらした緑のコケが発生して栄養分が蓄積しだすと、黒髭コケや糸状のコケなどあらゆるコケの発生の原因になります。綺麗な水槽を作る為の管理方法の記事も合わせてご覧ください。

魚を入れるタイミングを知る

魚を入れるタイミングは、底床がソイルの場合は、早くても立ち上げてから4週間以上経過してコケが発生していない状態で、少なめに魚を入れる必要があります。底床が砂利の場合は水槽を立ち上げた直後は、丈夫な小型の熱帯魚(パイロットフィッシュ)を数匹~5匹程度入れて、水槽の様子を見ながら徐々に魚を増やしていきます。また魚の餌は与え過ぎに注意が必要です。餌は1日に1回、様子を見ながら2~3分で食べきる量を与えるようにしましょう。