ミクロソリウムの葉が黒く染まって枯れる症状のシダ病

2023年10月12日

ミクロソリウムにはプテロプスナローリーフ、セミナロートライデントウェンディロフなど人気のある種類が多くあります。ミクロソリウムを群生させた茂みは非常美しく見ごたえのある水草です。しかし調子がよく綺麗な茂みになった状態から突然、葉が黒くなったり、枯れたりするシダ病になることがあります。このシダ病の原因と回復方法を紹介します。

1.シダ病の症状と原因

シダ病の症状は、健康の良い葉が徐々に茶~黒色になり、枯れていく症状です。株全体で枯れるのではなくて、株の一部の葉から枯れだして、感染するように徐々に周りの葉が枯れだします。

シダ病の疑い(初期)

シダ病の疑いから31日目
原因

ミクロソリウムのシダ病の原因は、夏場の高温に発生しやすいと言われています。しかし長年ミクロソリウムを育成していると、水温が低い(24~25°)で管理された冬場の水槽でもシダ病は発生します。原因は、水質、硬度の高さや硬度の変動、水槽の栄養分が関係してるのでは?と疑いますが、同じ水槽で育成しているミクロソリウムでも発生する株と発生しない株がでてきます。そのため水質や栄養分だけが影響しているとは考えずらいです。シダ病が発生しやすいのは照明に近い流木に巻いた成長の良い箇所がシダ病になりやすい印象を受けます。シダ病は成長のよい密生した株が発生しやすく、トリミングが足りていないことが原因で発生しやすいと感じます。私の水槽では、水温には関係なくミクロソリウムが調子よく葉が増えてボリュームがでてトリミングが遅れた場合にシダ病を発症させることが多いです。またシダ病の感染力は、1つの株からシダ病が広がることはあっても、水中感染が原因で他の株に病気がうつりやすいということはありません。(私は同じ水槽内の別の株には感染した経験は今のところありません。)

2.シダ病の回復・対処方法

ミクロソリウムのシダ病の回復・対処方法は、出来る限り早めにシダ病を発見して対処することが大切です。対処方法はシダ病が発症した黒や茶色くなった葉を全てカットします。葉をカットする際に株近くの葉の根元からカットします。またシダ病になった葉の周りもシダ病になる可能性があるので、シダ病になった葉の周辺は株だけになるようにばっさり思い切ってカットする必要があります。

黒くなった部分の葉をカット シダ病の対処方法

黒くなった部分の葉をカット シダ病の対処方法
回復

ミクロソリウムは、葉をすべてカットして株だけになっても枯れることはありません。シダ病になったら株だけの状態に思い切ってカットした方が回復が早い印象を受けます。回復は株から新芽がでてくれば、徐々に新芽が増えカットしてから約2ヵ月もすれば葉が生えそろい復活します。新芽の促進には、まわりの水草の葉の裏に光合成の気泡が確認できる程度の光量とCO2添加があると新芽の成長スピードが速いです。

シダ病の対処から40日目で回復

シダ病の対処から40日目で回復

3.シダ病の予防策(重要)

ミクロソリウムのシダ病は、ミクロソリウムが調子が上がり繁茂して密生しすぎた場合に起こりやすい病気です。そのため予防策としては、定期的なトリミングが重要になります。綺麗な茂みができた時期から2~3週間に1回はトリミングで密生した部分の大きな葉や古い葉は間引くことで、シダ病の発生を予防することができます。独自に辿り着いたシダ病対策ですが、この方法により長期にわたりミクロソリウムを維持することができるようになりました。

トリミングで間引く(2~3週間に1回)

4.シダ病ではない枯れ方や症状

ミクロソリウムの葉が枯れだすと、一見どれもシダ病ではないか?と疑ってしまいます。写真は、茶色く枯れてシダ病に見えますが、この葉は黒髭コケが付いた流木に酢を付けた際に、ミクロソリウムの葉にも酢がついて、枯れてしまった葉です。また購入時は水上葉のものが多く、購入から2~3か月以内に枯れだす葉は、水中から水上葉に移行する際に自然に枯れる場合が多いです。このようにミクロソリウムの葉は、自然に枯れた場合や外部からの影響で枯れる場合も茶色く枯れることが多いです。またミクロソリウムは光量やCO2量が少なくても育成できる丈夫な水草ですが、極端に水質や育成環境が合わないと葉が枯れだすことがあります。枯れだす原因は光合成ができずに葉が枯れます。ミクロソリウムも綺麗に育てるには、ある程度の光量、CO2が重要になります。

シダ病ではない枯れ方や症状

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