【後編】水草の選び方 綺麗なレイアウト水槽を作りたい
水草の選び方から、おすすめの水草、丈夫な水草、CO2が不要な育ちやすい水草を詳しく解説します。アクアリウム初心者の方やCO2添加していない水槽環境でも参考になる内容です。思い通りにレイアウトを作りたい、綺麗な水景をイメージしてレイアウトを作っても水草が育たなかったり、コケまみれになったり・・・アクアリウムをはじめて、多くの方が経験あることではないでしょうか。この記事ではイメージしたレイアウトに近づける為に大切な水草の選び方を解説します。前編の記事では、水草が育たない原因と症状など水草育成の基本を解説してきました。後編のこの記事では、水槽環境に合わせた水草の選び方から育成環境までステップアップできる内容です。
1.水草の選び方
綺麗な水景を見るとレイアウトも素晴らしいですが水草の選び方も上手だなと感じます。綺麗な水槽では育てやすい水草を多く植栽してレイアウトを作っていることが多いと感じます。水槽の環境で良く育つ水草の種類を選ぶことがイメージしたレイアウトに近づける第一歩になります。
水草の難易度
レイアウトに合わせた前景草、緑系の有茎草、赤系の有茎草、活着できる水草、テープ状の水草の特徴を紹介します。水草の難易度は、水草の光合成に必要な光量、CO2量、硬度の高さによって違います。光量、CO2量を高く必要とし、軟水を好む水草は難易度が高いです。弱い光量と少ないCO2量、硬度にうるさくない水草は育てやすいです。左から右に、難易度が容易、やや容易、普通、やや難、難しいと水草の育てやすさを5段階に分けて紹介します。
前景草
前景草は、光量を求める種類が多いです。背丈が低いので、光量が届きづらく成長が遅くなる傾向が強いです。前景草は成長の早いグロッソスティグマが人気があります。やや成長は遅いですがニューラージパールグラスも比較的育てやすいです。
簡単はテネルス、やや簡単な前景草は、グロッソスティグマ、ピグミーチェーンサジタリア、ストロギネ レペンス、普通はヘアーグラス、ニューラージパールグラス、オーストラリアン ノチドメ クローバー、やや難しいはウォーターローンです。
緑系の有茎草
緑系の有茎草は、軟水を好む水草が多く、硬度に影響しやすいです。整然とした美しい茂みを作るには、強い光量とCO2添加が欠かせません。トリミングに強いグリーンロタラや、石を使った硬度でも育成できるパールグラスの仲間はレイアウトでも定番の水草です。
簡単はハイグロフィラ ポリスペルマ、やや簡単はパールグラス、グリーンロタラ、ミリオフィラム マトグロッセンセ、普通はラージパールグラス、ロタラマクランドラグリーン グリーン、ブリクサショートリーフ、やや難しいはミリオフィラムsp.ガイアナドワーフ、ロタラナンセアン、難しいはトニナsp.ベレン産
赤系の有茎草
赤系の有茎草は、光合成量によって赤味の出方に違いが出ます。強い光量とCO2量で美しい赤に染まった茂みを楽しむことができます。トリミングに強いロタラ ベトナム H’raや繊細な葉が特徴のニードルリーフ・ルドウィジアが美しいです。
簡単はレッドルドウィジア、やや簡単はルドウィジア レペンス ルビン、ルドウィジアsp.スーパーレッド、普通はニードルリーフ・ルドウィジア、ロタラ ロトンディフォリア ベトナム H’ra、アマニア グラキリス、やや難しいはロタラ ワリッキー、ルブラ ハイグロ、難しいはロタラマクランドラ
活着できる水草
活着できる水草は、株で育つ種類が多く水槽環境に適応して成長スピードが上がるまでにやや時間がかかることがあります。流木に活着させたウィローモスの仲間やミクロソリウムの仲間は非常に美しい濃い緑の水景を作り出してくれます。
簡単はウィローモス、やや簡単はミクロソリウム・ナローリーフ、アヌビアスナナ、ボルビティス ヒュディロティ、普通はウォーターフェザー、ハイグロフィラ ピンナティフィダ
テープ状の水草
テープ状の水草は、ランナーで増える種類が多くしっかり根を定着させて育てることにより、美しい水景が作れます。小型水槽では、バリスネリア ナナ、中型から大型水槽では細い葉のビビパラや葉幅があるバリスネリア スピラリスが美しい茂みを作ります。
簡単はバリスネリア スピラリス、やや簡単はバリスネリア ナナ、エレオカリス ビビパラ、普通はクリプトコリネ バランサエ、エキノドルス アングスティフォリウス、やや難しいはシペルス ヘルフェリー
2.水草育成の理想の環境
水草が育ちやすい理想の育成環境を確認することで育たない水槽に不足している環境の原因が見えてきます。理想の環境は一つの目安になります。この理想条件を満たしていなくても育成は可能です。
照明
光量の強さは、製品の仕様の光束のルーメン値(lm)が目安になります。ルーメンの値が高いと光量が強いことになります。近年、性能のよい光量の強いLED照明が販売されるようになり、水草が育てやすくなりました。LED照明は、省エネ、強い光量、長寿命が特徴です。価格も下がり、水草用のLED照明がおすすめです。おすすめのLED照明はアクロトライアングルが水草育成に適しています。
CO2添加
CO2添加は電磁弁とタイマーを使い自動で添加できると、安定的にCO2を添加できます。また拡散器も気泡が細かいタイプが効果的にCO2を添加できます。添加時間は、照明の点灯時間に合わせ7~8時間が目安です。おすすめの拡散器はこちらのアンビリーバブルCO2 です。初心者向けのCO2機器の解説は次のCO2器具の種類と特徴、30cm水槽で使用しているCO2機器の2つの記事も合わせてご覧ください。
水質・硬度
水質は硬度が低ければ、少ないCO2量で水草は育成できます。炭酸塩硬度のKHは0.5~2.0°dHであれば、ほとんどの水草は良く育ちます。水草の種類に適した水質についてはこちらの記事も合わせてご覧ください。水草が育たない原因がわかる?水草の種類に適した水質を知ろう 炭酸塩硬度・KH
3.予算をかけずに水草を育てるコツ
ここからはCO2添加がない水槽や砂利を使った水槽で予算をかけないで水草を楽しめむコツを紹介します。水草は、成長が早くCO2添加がなくても育つ水草を選ぶことが大切です。また底床によって育ちやすい水草の傾向があるので底床に合わせた水草を選ぶこともポイントです。砂利でも育ちやすい水草はありますがソイルは硬度を低く保てるため、より多くの水草を育成できます。さらに初心者向けに詳しく解説した【失敗しない為の水草の選び方】初心者向けおすすめの水草と種類の記事も合わせてご覧ください。
砂利で育ちやすい水草
砂利で育ちやすい水草はレッドルドウィジア、パールグラス、バリスネリア スピラリス、アヌビアスナナです。砂利で育ちやすい水草は、ソイルでも育ちます。
ソイルで育ちやすい水草
ソイルで育ちやすい水草はテネルス、ハイグロフィラ ポリスペルマ、ロタラ ロトンディフォリア、ラージパールグラスです。ソイルで育ちやすい水草は、砂利での育成の場合はCO2添加が必要になることが多いです。
コケが映えずらい環境を作る
水草にとって大敵は、コケによるダメージです。水槽に入れる熱帯魚は、極力少なくそしてコケ取り用の生体が、コケ対策に欠かせません。通常の水草水槽では、強い光量が求められますがCO2添加をしていない水槽は、光量を抑えた環境がポイントです。また肥料は、CO2を添加していない場合は毎日餌を与えている生体がいれば栄養不足になることは少ないです。砂利を使った環境や水草の成長が良い場合は、コケの状態を見ながら固形肥料の使用量の1/3以下の量で追肥するとよいでしょう。
水替えが水草の成長を促進する
毎日餌を与え、コケが発生するような水槽では水替えが重要です。水道水には豊富なCO2が含まれています。水替えを週1回から2回に増やすだけで水槽に供給できCO2が増え、水草の成長を促進できます。定期的に水替えをすることで、コケの出ずらい美しい水槽を維持しやすくなります。このようにCO2機器や水草用のLED照明がない低予算の水槽でも水草の選び方や水槽の管理方法で、水草水槽を楽しむことができます。
4.水草が育たない原因ベスト5
水草が育たない原因は光合成以外にも原因があります。水草動画が経験した水草が育たなくなる5つの原因をランキング形式で簡単に紹介します。
5位 溶けやすい水草
クリプトコリネ、ブセファランドラなど溶けやすい水草の種類があります。特に水上葉を購入して水槽に入れて2~3週間で葉がすべて溶けてしまうことがあります。
4位 ストレス
購入時の移送によるダメージや水槽環境の変化により水草が1~2週間で溶けたり枯れたりすることがあります。植栽から短期間で葉が抜け落ちたり茶色く溶け出し枯れる場合は、水草へのストレスが原因と考えられます。
3位 栄養不足
水草が育たなくなる原因として一番疑われやすいのが栄養不足です。栄養不足は生体の数が少なく、水草が良く育っている水槽では水草が白化したり、枯れたり、溶けたりする症状がでることがあります。
2位 コケ
水草用の強い光量のLED照明は、餌の量や栄養分が少し多いだけでもコケまみれにしてしまうことがあります。葉に付いたコケは、光合成の妨げになり、水草の成長を弱らせます。
1位 光合成
水草が育たない、元気がない原因1位は今回紹介した光合成に必要な育成条件が満たしていない場合です。光合成不足が様々な成長不良の症状を発症し水草の成長不良の原因になります。
5.動画解説
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イメージしたレイアウトを作るにはまずは自分の水槽環境にあった水草の種類を選び、水草が光合成できる環境で育成すること大切です。水草が育たなくなった場合は、まず育たない水草の種類に求められる光合成に必要な光量、CO2量、硬度を確認しましょう。
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