【後編】水草水槽と肥料の栄養成分を知る

2020年1月26日

水草水槽の代表的な液肥と固形肥料の栄養成分を紹介します。さらに熱帯魚の多い水槽や水草の多い水槽など水槽の傾向に合わせた水質を紹介します。

アクアリウムのこと、数値だから伝えられることがあります。水槽の水質を知ることで、水替えの頻度の目安はもちろん不足している栄養分を把握できます。さらに肥料の成分量がわかると具体的な肥料の与え方が見えてきます。この記事を最後までご覧いただくことで水槽の栄養分の与え方の理解が深められます。前回の記事では肥料不足の見極め方や肥料を与える前のポイントを解説してきました。この記事では環境の違う3つの水草水槽の水質を測り水槽の傾向による水質が把握できます。また肥料は代表的な液肥3種類、固形肥料3種類の栄養成分の確認により、肥料の特徴がわかります。

液肥3種類と固形肥料3種類

1.液肥の栄養成分

アクアリウムの肥料添加を難しくしている原因の一つに栄養成分がわからない製品が多いことです。肥料の栄養成分がわからないので、その肥料の使い方や違いを解説するのも難しくなります。今回は肥料に含まれる窒素、リン、カリウム、微量元素の鉄の4つの栄養成分を測定して紹介します。

液肥の栄養成分

液肥の測定は次の4つの肥料を測定しました。園芸用のハイポネックスは、アクアリウム用の肥料との違いを比較するために測定します。

栄養成分は20Lの水量に対して原液1mlを添加した値になります。ブライティKは炭酸カリウムのようなアルカリ性になる成分を使っている為、水槽をアルカリ性に傾けます。ニュートラルKは、ブライティKよりもカリウム分が高くわずかですが窒素分も含んでいます。ニトロは、窒素主体の液肥ですが非常に低濃度に調整された液肥です。ニトロよりニュートラルKの方が窒素分が高い結果になりました。微量元素の鉄分は3本とも含まれていませんでした。このように3本とも非常に低濃度に調整されているのが特徴です。コケの発生に配慮された成分量になっているようです。

液肥の栄養成分測定結果

2.固形肥料の栄養成分

固形肥料は水草水槽で定番の3種類を測定します。栄養成分は20Lの水量に対して1gを追肥した値になります。イニシャルスティックとボトムプラスは非常によく似た栄養成分でした。イニシャルスティック、ボトムプラスは微量に窒素を含み、リンとカリウムは含まないタイプの肥料です。アクアフローラは他の2種類とは違います。アクアフローラは数か月にわたり栄養成分が徐々に溶け出し、残留物がほとんど残らないタイプの肥料です。アクアフローラは他の2つの製品より栄養成分が高いです。水草がよく繁茂して生体の少ない水槽に適した肥料です。

固形肥料の栄養成分測定結果

3.水草水槽の栄養濃度

環境の違う3つの水草水槽の水質を見ていきます。水替え前と水替え後の測定により水槽の栄養分の蓄積具合が確認できます。

水槽別の水質傾向

●60cm 魚が多く栄養分が高い水草水槽

魚の数が多く栄養分の高い水槽です。硝酸塩が高く、コケの原因になりやすいリンも検出されています。水替え後には、硝酸塩、リンは半分以下にまで減っています。カリウムが不足いているのがわかります。この水槽は窒素、リンを含まないタイプのカリウム主体の肥料を与えるとよい水槽です。

魚の多い60cm水草水槽

水槽サイズ 60×45×45
魚の数 かなり多い
水替え頻度 水槽全体の1/3を換水×週2回
餌の量と回数 1日1回(かなり多め)
CO2の添加量 CO2添加あり 添加量普通
肥料の添加状況 70日前に固形肥料
発生しているコケ コケの発生は週に1回ガラス面を軽く掃除する程度
立ち上げ経過日数 10年
45cm 魚は栄養分がやや高い水槽

水槽のサイズと魚の飼育数のバランスが取れた水槽です。硝酸塩がわずかに検出されましたがリンは0でした。この水槽もカリウム主体の肥料を与えるとよい水槽です。

魚の数が普通の45cm水草水槽

水槽サイズ 45×45×45
魚の数 普通
水替え頻度 水槽全体の1/4を換水×週2回
餌の量と回数 普通
CO2の添加量 CO2添加あり 添加量普通
肥料の添加状況 70日前に固形肥料
発生しているコケ コケの発生は週に1回ガラス面を軽く掃除する程度
立ち上げ経過日数 770日
30cm 魚は少なく栄養分が少ない水草水槽

魚が少ないため、栄養分は全て水草に吸収され全く検出されない水槽です。この状態で維持できるとコケの発生は抑制できます。窒素、カリウムが含まれた肥料を与えるとよい水槽です。

魚の数が少ない30cm水草水槽

水槽サイズ 30×30×30
魚の数 少ない
水替え頻度 水槽全体の1/4を換水×週2回
餌の量と回数 普通
CO2の添加量 CO2添加あり 添加量普通
肥料の添加状況 70日前に固形肥料
発生しているコケ ガラス面にコケはほとんどつかない
立ち上げ経過日数 660日

3本の水槽は、固形肥料を70日前に追肥しいますがその後は肥料は添加していません。

4.窒素・リン・カリウムの測定方法

液肥の硝酸、カリウムの測定にラクアツインで測定しました。

肥料の硝酸(窒素)・カリウム<ラクアツイン>

ラクアツインは少量のものを簡単に測定できるのが特徴です。使ってみて少量のものを測定できるってすごく便利でした。カリウムイオンメータの測定範囲は4~9900ppmなんですが4ppm以下など低濃度の測定に弱いです。水草水槽の場合、カリウムを添加してない水槽では1ppm以下になります。しかし少量で測定できると蒸留した少量の水も測定できます。0.3mlから測定できるので、いろいろなものが測定できます。もちろん蒸留して濃縮する方法は手間や時間がかかります。水草水槽などの低濃度測定の使用感は別の記事で紹介します。

ラクアツイン

低濃度のリン・硝酸・鉄測定<パックテスト>

リン酸塩、鉄などの測定にはパックテストを使いました。低濃度のリン酸、鉄の測定には、パックテストが使いやすいです。

パックテスト

今回の水質測定により水槽の栄養分の傾向がわかると、どのような水槽にどのような栄養分が必要なのかわかりました。さらに、肥料の栄養成分量がわかると、水槽に合わせてどのような種類の肥料を添加すればよいかわかりました。次回の応用編では自作肥料に挑戦したいと思っています。ご参考になればチャンネル登録・高評価よろしくお願いします。

5.動画解説

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