グリーンロタラの育て方 失敗例と成功のコツ
1.特徴
グリーンロタラは水草愛好家には人気の高い水草です。私も大好きな水草の種類のひとつです。グリーンロタラの魅力は柔らかいグリーンの葉を密生させ美しい茂みを作ります。葉の長さは12mm~20mm、葉幅2mm~3mmの大きさです。ロタラの種類は多くよく似たロタラロトンジフォリア、ロタラインディカなどの違いは、グリーンロタラは赤味を帯びないのが特徴です。またグリーンロタラは水草が曲がったり、匍匐したように成長する傾向が強いのが特徴です。レイアウトでは、小型水槽から大型水槽まで中景から後景に使われることが多い水草です。石組レイアウトや流木レイアウトなどネイチャーアクアリウムでも定番の水草です。購入時は水上葉で売られていることが多く、水上葉は丸い形をしています。水中葉に移行すると葉は細くなり、より美しいライトグリーンにかわります。
別名 | ロタラsp.グリーン、ロタラ ロトンディフォリア グリーン |
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学名 | Rotala sp. “green" |
難易度 | C |
照明 | 普通~強め |
CO2 | 中 |
PH | 6.0-7.3 |
KH | 0-2.5 |
成長速度 | 早い |
大きさ・高さ | 中型 |
おすすめ度 | ★★★★★ |
2.育て方
グリーンロタラは弱酸性から中性の水質を好みます。底床は砂利などでも育成は可能ですが、弱酸性を保ちやすいソイルでの育成が適しています。ソイルであればCO2は添加しなくても育ちますが綺麗な茂みを作るにはCO2添加はかかせません。光量はある程度必要としますが、キューバパールグラスなどの前景用の水草に必要な強い光量は必要ありません。綺麗なグリーンロタラの茂みを作るには水中葉に完全に移行して成長が緩やかになったときに、コケにやられないように水槽の管理が大切になります。
植え方
植え方は、購入時のポットや鉛などから取り出して軽く洗います。底床には約2~3cm程度の深さに植えると、植栽後浮かんできづらくなります。水上葉の場合は、背丈が低いので、そのまま一本ずつ植えていきます。水中葉の場合は、5~10cmほどの高さを切り揃えて、植えていくとよいでしょう。
トリミング・増やし方
グリーンロタラのトリミングは、植栽してから2週間~3週間で1回目のトリミングがきます。さらに高いCO2量と強い光量の環境の水槽ではより速いタイミングでトリミングが必要になります。グリーンロタラのトリミング方法は、伸びた背丈の半分くらいの高さでカットします。カットした上の部分の草は底床に植えなおして(差し戻し)、草にボリュームを付けていきます。このトリミングと差し戻しを繰り返すことによって美しいグリーンロタラの茂みを作ることができます。成長スピードはトリミングを1,2回行って完全に水中葉に移行すると成長がやや緩やかになります。
co2無し
グリーンロタラのCO2なしの環境で育成した場合、写真のように新しい新芽は小型化して成長が遅いです。CO2添加した場合と比べて、葉は小さくひょろひょろした印象に成長します。
匍匐・曲がる原因
グリーンロタラは植栽してから1~2週間目の成長は曲がったり、底床を匍匐、這うことがあります。特に水上葉から水中葉に以降する際に起きやすい症状です。このように曲がったり、匍匐して成長していく症状は、他のロタラの仲間も水上葉からの育成した場合は同様の症状が起こりやすいです。また水草用の強いLED照明を使っている場合もロタラの仲間は曲がったり、匍匐して成長することがあります。改善方法は、曲がったり、匍匐したり、枝分かれした伸びた部分をトリミングでカットして、差し戻すことを2~3回繰り返すことで綺麗な茂みを作ることができます。
育たない原因
グリーンロタラが育たない主な原因は2つあります。1つ目は水槽に十分CO2量が足りず植栽直後は少し成長し、その後は成長が悪く葉が小型化、白化してコケが付いて枯れてしまう場合です。グリーンロタラの葉の裏に気泡が見える程度のCO2量を添加することで解決します。2つめは綺麗な茂みができてから2~3ヶ月すると徐々に元気がなくなる場合です。これはソイルの劣化やレイアウト素材の石が原因で徐々に水槽内の硬度が高くなる場合があります。(またはCO2添加量が減っている場合も同じ症状になります。)硬度が高くなる場合はCO2の添加量を増やすことで解決できることが多いです。
- CO2量が足りない
- 硬度が高い
育たない場合は、炭酸塩硬度(KH)と呼ばれる水質をチェックすることで水草の育ちやすい水質が把握できます。詳しくは水草の種類に適した水質を知ろう(炭酸塩硬度・KH)の記事をご覧ください。
枯れる・溶ける
グリーンロタラは丈夫で比較的溶けずらい水草です。溶けたり枯れたりする場合は二つあります。水上葉から水中葉に移行する際に草の下の部分の古い水上葉は2~4週間で枯れだして溶け出します。またCO2量が足りない水槽では、成長が緩やかになり、葉が小型化してコケが付きやすくなり枯れたり溶け出すことがあります。
3.失敗例と成功のコツ
失敗しやすい水槽の特徴
グリーンロタラが失敗しやすい水槽の特徴は2つあります。1つ目は水草に必要なCO2量が不足して水草が育ちづらい水槽、2つ目は毎日餌を与えている栄養分が蓄積しやすくコケが発生しやすい水槽です。
- 水草が育ちづらい水槽
- コケが発生しやすい水槽
ソイルが劣化し炭酸塩硬度(KH)が上昇して、CO2の吸収量が減ったことにより成長不良を起こしたグリーンロタラ
成功のコツ
グリーンロタラの育成を成功させるコツは3つあります。1つ目は水草よく育つ軟水とCO2添加です。2つ目はコケを発生させないためのコケ対策です。コケ対策3つ、1つ目は水草が繁茂するまでは※観賞魚は入れない、2つ目は水替えは週1回(水量の1/3)、3つ目はコケ取り生体を入れます。※既に観賞魚がいる場合は、光量を弱め、水替えを週2回行います。
- 水草よく育つ軟水とCO2添加
- 3つのコケ取り対策
水草がうまく育たない時や綺麗な水槽作りに役立つおすすめ記事
4.成長記録
砂利による育成経過
砂利の育成では富士砂という栄養分が含まれていない普通の砂利での育成記録を紹介していきます。普通の砂利で育てる場合は、CO2添加、照明、定期的な肥料の添加で安定した育成が楽しめます。肥料はテトライニシャルスティックを使って育成しています。水槽に入れた植栽直後はあっちこっち向いていますが、一日も経つとまっすぐ上に向かってくれます。2,3日もすると水上葉から水中葉がでてきます。一週間もすると、うねうねと曲がったり、匍匐したように水草が倒れだし根っこがでてきます。写真のような状態はある程度照明があると這うように水草が育っていきます。2~3週間もすると完全に水中葉に生え変わります。この頃になると長く伸びた部分はトリミングが必要になり、カットした水草を差し戻し、水草のボリュームを増やしていきます。ここまでは、底床肥料のみで育成しています。1カ月もすると綺麗な茂みができトリミングを繰り返すことでより密度の高い茂みが出来上がります。
砂利による育成環境例
水槽サイズ Tank | W60㎝×D45㎝×H45㎝ |
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照明 Lights | 20W×4 |
照明時間 Light Timer | 7時間 7hours |
二酸化炭素 CO2 | 1秒に1滴7時間 7hours 1drops/s |
水温 Temperature | 24.5℃ |
底床 Substrate | 富士砂 Fuji sand |
PH | 6.5-7.2 |
炭酸塩硬度 KH | 1.5°dH |
リン酸塩 PO4 | 1ppm以下 |
硝酸塩 NO3 | 1ppm以下 |
伝導率 TDS | 70-80ppm |
ソイルによる育成経過
グリーンロタラはソイルでの育成では非常によく育ち成長も早くなります。水上葉から水中葉の以降も、2,3日で大きな変化が観察できます。一週間もすると底床に這うようにして育ち、水面に向かって水中葉を展開して成長していきます。2週間もするとトリミングが必要になります。1,2回のトリミングを繰り返すと最初の成長スピードは緩やかになります。綺麗な茂みを作るには差し戻しによるトリミングを繰り返すことによってできます。
ソイルによる育成環境例
水槽サイズ Tank | W60㎝×D30㎝×H36㎝ |
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照明 Lights | 30W×2 |
照明時間 Light Timer | 7時間 7hours |
二酸化炭素 CO2 | 1.5秒に1滴7時間 7hours 1drops/s |
水温 Temperature | 24.5℃ |
底床 Substrate | アクアソイル アマゾニア ノーマル |
PH | 5.8-6.3 |
炭酸塩硬度 KH | 0.5°dH |
リン酸塩 PO4 | 0.1ppm以下 |
硝酸塩 NO3 | 10ppm以下 |
伝導率 TDS | ※20-30ppm |
※水替えはRO水により純水で管理しています。
育成した感想
グリーンロタラの育成はソイルで育成する場合は特別難しい水草ではありません。しかし水上葉から水中葉に移行してから長期に綺麗な状態を維持するには水草育成に必要な低い炭酸塩硬度(KH)を長期維持できることが重要になります。このグリーンロタラを長期維持できるような環境であれば、有茎水草全般の水草を綺麗に維持できるという目安になります。グリーンロタラは有茎水草の魅力を感じさせてくれる水草です。密生させたグリーンロタラの茂みは美しい水景をみせてくれます。
5.グリーンロタラの写真
6.価格・選び方
グリーンロタラは30~45cm水槽であれば5~10本(1ポット)、60cm水槽は10~20本(1ポット)、90cm水槽は20~30本(1~2ポット)が目安になります。グリーンロタラはCO2、光量が十分供給された環境では成長が早いので購入量は少な目で大丈夫です。
★:購入経験あり・次も購入したい
、
●:購入候補に入れたい
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商品名 | 価格 | 購入目安 | 備考 | ||
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楽天 | アマゾン | Yahoo!ショッピング | |||
グリーンロタラ(水上葉)(無農薬)(10本) | 720円 | 1,300円 |
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チャーム |
グリーンロタラ(水上葉)(無農薬)(20本) | 1,040円 | 1,200円 |
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チャーム |
ミニ素焼き鉢 グリーンロタラ(水上葉)(無農薬)(1鉢) | 990円 |
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チャーム | |
ライフマルチ(茶)グリーンロタラ(水上葉)(無農薬)(1個) | 740円 |
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チャーム |
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次は美しいロタラ3種類の一つにグリーンロタラを紹介した動画です。
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