エフイーエナジーとメネデール 鉄分の比較

鉄分主体の液肥はロタラインディカ、ロタラ ロトンディフォリア ベトナム H’raなど赤系の水草を赤くする目的として添加することが多い液肥です。今回は鉄分を多く含んだ液肥のFe Energy(エフイーエナジー)を紹介します。
1.特長
販売サイトには次のように記載されています。
- Feエナジーは植物の生長に必要な2価鉄イオンを安定して供給します。
- 水草やビオトープ植物への鉄分補給に最適です。
- 水草では赤系のものに特に効果を発揮します。
- 栄養生長を促進するので緑が濃くなり、葉の数が増え、植物の生長に必要な有機物をたくさん生成します。
- 呼吸を行うのに必須の成分です。植物を元気に育てます。
- 生殖成長期にも効果を発揮します。
- 1滴ずつ添加可能なアクアタイプです。
- ミニボトルで場所をとりません。
- 水草のみならずビオ植物や観葉植物、花や野菜など全ての植物に鉄分を供給し、光合成などの代謝を促進します。
2.使い方
使い方は次のように記載されています。
- 60cm水槽の場合、1回につき0.5ml(約10滴)を目安にご使用ください。
- 基本は1週間に1度の添加になりますが、赤系水草に色抜けが見られる場合には数日間連続添加をおすすめします。
- 水草や植物の健康状態に合わせて、使用量を調節してください。
- 観葉植物などにご使用の場合は、30倍に希釈して水遣りの要領でご使用ください。
使用上の注意
- ※本製品は飲食物ではありません。
- ※お子様の手の届かない場所へ保管してください。
- ※水質条件、水槽環境によっては水が多少黄色に濁る可能性がございます。予めご了承ください。
3.鉄分濃度と製品比較
水草水槽の鉄分補給では、ADAのecaや園芸用のメネデールを添加するのが有名です。今回エフイーエナジーの鉄分濃度と合わせて、メネデールの比較を水草動画独自で測定してみました。
エフイーエナジーの鉄分濃度
エフイーエナジーを純水で100倍から100万倍まで薄めて測定した結果が次にの写真になります。エフイーエナジーの使用方法では60cm水槽(50L)に10滴(0.5ml)の添加と記載され、これを10Lに換算すると2滴(0.1ml)の添加方法になります。したがって写真の測定結果の1万倍(純水10Lにエフイーネナジーを1ml)は1mg/Lの鉄分濃度なので、エフイーエナジーの使い方通り、水量10Lに0.1ml(2滴)添加すると約0.1mg/Lの鉄分濃度になります。使用した試薬はセラのFeテストを使用しています。
メネデールとエフイーエナジーの鉄分濃度比較
左から3本の試験官がメネデール(400倍0.1ppm、200倍0.2ppm、100倍0.4ppm)、右から3本がエフイーエナジー(8万倍0.125ppm、5万倍0.2ppm、2万倍0.5ppm)です。メネデールは非常に鉄分が少ないことがわかります。メネデールは100倍で約0.4mg/Lにより、水量10Lの水を1mg/Lの鉄分濃度にするには、メネデールの原液を約250ml必要になります。
4.水草水槽に必要な鉄分濃度
セラの試薬の説明書では次のように記載されています。また別のメーカーのJBLの試薬の説明書には水草が健康に成長するには0.1-0.2mg/lあれば十分と記載されています。エフイーエナジーの添加方法による鉄分濃度は0.1mg/l程度です。
鉄分濃度 | 判定 |
---|---|
0mg/l | 水草にとって望ましくない |
0.1-0.25mg/l | 栄養不足 |
0.5-1.0mg/l | 水草にとって理想的な濃度 |
>1.0mg/l | 鉄分が多すぎる |
添加量の目安
水量10Lの鉄分濃度を0.1mg/L、0.3mg/L、0.5mg/Lするときに必要なエフイーネナジー、メネデールの添加量は次のようになります。
水量10Lの鉄分濃度 | エフイーネナジー | メネデール |
---|---|---|
0.1mg/l | 0.1ml(2滴) | 25ml |
0.3mg/l | 0.3ml(6滴) | 75ml |
0.5mg/l | 0.5ml(10滴) | 125ml |
5.使用感
水草動画では、エフイーエナジーは赤系の水草が多く植わった水槽によく使用します。エフイーエナジーを添加するだけで赤味が増したという経験はありません。しかし強いCO2量と光量に合わせてエフイーエナジーを添加することで、写真のように水草の赤味を出すことができます。エフイーエナジーを添加して大量にコケが発生した経験はありませんが、水替え後に添加するようにしています。またエフイーエナジーにはコケの原因となる窒素、リン酸の栄養素は含まれていません。エフイーエナジーは、安価でコスパも高く水草水槽の鉄分補給に適した液肥です。