カリウム濃度を簡単に知ることができるイオン測定器

2020年10月21日

この記事はカリウム測定に興味ある方や測定を検討している方に参考になる記事です。コンパクトカリウムイオンメータは農業や家庭菜園で使用する肥料のカリウム濃度、さらに収穫した野菜や果物のカリウム濃度を測定できます。実験や研究などの使用はもちろん、健康、医療などでも使われるシーンもあるかもしれません。今回の使用は、市販されている単肥(水溶性)、液肥、固形肥料のカリウム測定、作った肥料の添加後のカリウム濃度を測定に使用しました。またカリウムを正確に測定するためのポイントをコンパクトカリウムイオンメータを製造している堀場アドバンスドテクノさんに使い方を聞いてきました。

1.特長

メーカサイトには次のように紹介されています。少量(0.3mL~)のサンプルを直接滴下するだけでカリウムイオンを測定するコンパクトなカリウムイオンメータです。LAQUAtwin独自の選択性にすぐれた平面型イオン電極を採用し、他のイオンの影響を受けにくく、イオン電極法*により正確にイオン濃度を測定します。特に、土壌中のカリウムイオンの測定や水耕栽培養液のカリウムイオンの測定に便利です。

ラクアツイン コンパクトカリウムイオンメータ

2.使い方

コンパクトカリウムイオンメータ LAQUAtwinの使い方

使い方は簡単です、蓋を開けセンサーに測定したい液体を入れるだけです。正しい測定方法はメーカーサイトの取扱い説明書をご覧ください。

手順
  • 手順1蓋を開け測定する液体を入れる。
  • 手順2電源を入れる。
  • 完了😃が表示されたら測定が完了
測定結果が毎回違う原因

カリウムイオンメータを正しく使っても、測定の見方によって結果が正確に読み取れない場合があります。測定するたびに数値が違ったり測定が定まらない原因は次の2つのケースが考えられます。

測定結果が毎回違う原因

測定値が徐々に上がる又は下がる場合は30秒、1分、3分と安定するまで待ってから結果を確認します。ランダムになる場合は妨害イオンに影響を受けている場合があります。ランダムになる場合は測定結果の平均値を見て結果を判断します。影響を受ける妨害イオンはこちらをご覧ください

残渣

残渣(ざんさ)は大きく濃度が違う測定を続けることで、前の測定の影響を受け正しく測定できないことがあります。残渣の影響をなくすには、測定前に校正が必要になります。今回の様に、複数の肥料を倍率を変えて測定した場合など、濃度が大きく違う測定により、測定が正確に読み取れないことがあります。

正確に測定する為のポイント

詳しくメーカーさんに、使い方を教えてもらったところ、正確に測定するポイントを簡単にまとめると次のようになります。

  1. 定期的に測定前に校正する
  2. 安定しない場合は30秒、1分、3分と安定するまで待つ
  3. 比較する水質が大きく違う場合は、測定前に校正する(残渣を無くす為)
  4. 濃度は低いものから高いもを測定する(残渣の軽減)

また校正液の温度と測定する液体の温度差にも影響してきます。

3.他の製品との違い

カリウム測定器は、PHメーターなどの測定器と比べて販売しているメーカーが少なく、なかなか選択肢がありません。気軽に測定できるものとして、農業用の土壌を測定するための「みどりくん PK」があります。実際に使ってみたのですが土壌用の試験紙用なので、今回の液肥づくりの用途としては使いづらく感じました。みどりくん PKの測定範囲は3~50(K2O mg/L)です。その後、試薬液またはデジタルの測定器がないか探し、見つけたのが4~9900ppm(mg/L)の範囲のカリウムイオンが測定できるラクアツインシリーズのコンパクトカリウムイオンメータでした。コンパクトカリウムイオンメータの最大メリットは果物の絞り汁など数滴(0.3ml~)の少量の液体を測定できるため、幅広い用途に使える測定器です。

4.使用感

コンパクトカリウムイオンメータを使ってまず感じたことは、簡単に測定できることです。とても気に入った機能は、校正範囲を変更できる為、目的に合わせて測定できることです。使っていて感じたことは測定によって、測定結果に違いが出やすいことです。使い方でも解説したように、測定する測定結果が落ち着くまで、数分待ってから確認する方が正確に測定しやすいと感じました。今回は高濃度の液肥、低濃度の水槽の水、個体状の固形肥料を測定した結果を紹介します。

高濃度測定
肥料づくりのカリウム濃度測定 コンパクトカリウムイオンメータ LAQUAtwin

高濃度のカリウム測定は硫酸カリウムと精製水を使用して水草水槽用の液肥を作る為に測定しました。原液はOr(9900ppm以上)の場合は、精製水を使い100倍まで希釈してから測定しています。作ったカリウム液肥は、180mlの精製水に水溶性カリウム(51%)を3.6g溶かした溶液を測定しています。計算上では10,200ppmになりますが、実際に測定すると5,400ppm、100倍は、79ppmの結果になりました。2点の校正範囲外(校正2点150-2000ppm)の2000ppm以上の測定は、値が安定しない印象を受けました。結果が計算上通りにならない原因は校正や残渣の影響など測定方法に問題があった可能性もあります。かなり慎重に測定しましたが、計算上の結果にはなりづらいと感じました。

低濃度測定

12-低濃度測定の為の校正方法

低濃度測定は、コンパクトカリウムイオンメータでは検出できない範囲のUr(4ppm以下)の水道水や水草水槽のカリウム濃度を測定しました。4ppm以下はそのままでは検出されないので水を蒸留させ濃縮せてから測定します。測定する水500mlを3mlまで蒸留し、166倍に濃縮しました。測定結果は水道水は0.5ppm、60cm水槽は0.27ppm、30cmは0.03ppmでした。水道水は、地域によて3ppm以上になる地域もあるようです。また水槽によっての違いは、餌の与える量や水草の光合成量によって大きく違います。水草水槽に窒素、リン、カリウムなどの栄養分については、こちらの水草水槽と肥料の栄養成分を知るをご覧ください。蒸留方法は、キッチンのガスコンロを使い、よく洗った底の浅い鍋やフライパンなどで加熱すると効率よく蒸留できます。コンパクトカリウムイオンメータは少量(0.3ml~)の液体を測定できるので、蒸留倍率も高くでき、1ppm以下の低濃度のカリウムも測定できました。また、低濃度を測定する場合は、低濃度値で校正するとより正確に測定できます。5ppm-50ppm (1:2912 付属の標準液150ppm精製水)

個体の測定

固形肥料の測定方法

固形肥料の測定には、固形肥料を粉末状にして精製水に溶かし、コーヒーフィルターを使いろ過をしてから測定しました。各固形肥料1gを精製水100mlに溶かして測定しました。濁りが除去できない固形肥料は、コーヒーフィルターを繰り返し通して濁りを取り除いています。コンパクトカリウムイオンメータの測定では、濁りは完全に取り除く必要はありませんが、試薬液でリンなど他の水質項目を測定する場合は、濁りを取り除く必要があります。
粉末状にする 固形肥料の測定

固形肥料の測定 コーヒーフィルターでろ過する

コンパクトカリウムイオンメータを使って測定する利用シーンは、【カリウム液肥】簡単!水草水槽の肥料の作り方の記事の動画で紹介しています。是非合わせてご覧ください。