サイアミーズフライングフォックス コケ取り効果と飼育の注意点
サイアミーズフライングフォックスはコケ取り効果を発揮する魚です。その魅力から導入前に知っておきたい注意点など初心者にもわかりやすく解説していきます。
1.特徴
サイアミーズフライングフォックスは、体中央に太い黒にラインが特徴の熱帯魚です。体長は最大は12cmほどになり、比較的に大きくなる熱帯魚です。サイアミーズフライングフォックスは水槽内の石や流木に付く、頑固な黒髭コケを食べてくれるコケ取り対策になる熱帯魚です。またネイチャーアクアリウムでもヤマトヌマエビ、オトシンクルスと同様にコケ対策によく使われるの定番の熱帯魚です。寿命は5~6年程度、環境によっては10年を超す長寿の個体もいるそうです。ショップでの流通も多く、価格も比較的安価で入手しやすい熱帯魚です。
別名 | サイアミーズ フライングフォックス |
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学名 | Crossocheilus oblongus、Crossocheilus siamensis |
分布 | タイ、インドネシア、マレーシア |
体長 | 10~12㎝ |
分類 | コイ科 |
餌 | フレーク 顆粒(沈降性があるタイプ) |
価格 | 200円~ |
水質 | 弱酸性~中性 |
水温 | 23~28℃ |
おすすめ度 | ★★★★☆ |
2.他のコケ取り生体との違い
アクアリウムや水草水槽でのコケ取り対策の代表的な生体には、オトシンクルスやヤマトヌマエビがいます。サイアミーズフライングフォックスは、オトシンクルスやヤマトヌマエビと比べてコケ取り効果を感じやすいです。特に石や流木などについた頑固な黒髭コケの除去効果は大きいです。ヤマトヌマエビも黒髭コケの効果を感じますが、ヤマトヌマエビは比較的、投入直後に糸状のコケや黒髭コケの除去効果を感じますが、その後の効果は徐々に感じなることがあります。サイアミーズフライングフォックスは、比較的安定的に、石や流木に付いた黒髭コケを食べてくれます。しかしサイアミーズフライングフォックスも与える餌が十分ににいきわたるような熱帯魚水槽の場合は、コケを食べる量も減りコケ取りの効果が感じれなくなることもあるそうです。逆に1日1回など与える餌の量を抑えた水草水槽では、サイアミーズフライングフォックスはコケを食べる効果を感じやすいです。
ヤマトヌマエビ・ミナミヌマエビと比較
ヤマトヌマエビ、ミナミヌマエビはアオミドロや糸状のコケなど、水槽に入れた直後は、効果を発揮しやすいコケ取り生体です。管理された水槽では安定的にヤマトヌマエビ・ミナミヌマエビでも効果が発揮できますが、慢性的に黒髭ゴケが発生しやすい水槽ではコケ取り効果が低く感じる場合がありますが、サイアミーズフライングフォックスはそんな水槽でもコケの除去効果を発揮しやすいです。
オトシンクルスと比較
オトシンクルスはガラス面や葉についたコケを食べてくれます。サイアミーズフライングフォックスはガラス面のコケは食べることはありませんが、葉についた黒髭ゴケなどオトシンクルスが食べないような硬いコケも食べてくれます。
混泳について
サイアミーズフライングフォックスは、購入時の5cm程度の時点では、ヤマトヌマエビなどエビとの混泳も問題ありませんが、飼育から1~2年で最大12cm近くまでに成長します。8cmを超えるとミナミヌマエビや小さいヤマトヌマエビは捕食されやすくなります。小型魚の混泳は12cmまで成長したサイアミーズフライングフォックスが2cmのレッドテトラを追いかけたり捕食するような経験はありません。しかしサイアミーズフライングフォックスは他の中型のサイズの魚や自分に似た形の魚などを追いかけたりすることがあります。また同種同士の小競り合いもします。
メリットとデメリット
長年水草水槽で飼育した経験からサイアミーズフライングフォックスのメリットとデメリットを紹介します。
メリット
サイアミーズフライングフォックスの最大のメリットは、他のコケ取り生体が食べないような頑固な黒髭ゴケを長期にわたり安定して除去してくれます。特に生体の多い黒髭ゴケが発生しやすい混泳水槽では必須級のコケ取り生体といっても良いと感じます。
デメリット
デメリットは水槽の大きさや餌の与え方によっては12cmまでに大きくなることです。また混泳する魚の組み合わせなどによっては、小競り合いなども起こします。また成長したサイアミーズフライングフォックスはヤマトヌマエビやミナミヌマエビなどエビを捕食します。
後悔しないための注意点
水草水槽でサイアミーズフライングフォックスをいれて後悔するようなことは少ないと感じます。デメリットを考えてもサイアミーズフライングフォックスのコケ取り効果は大きく飼育価値の高い魚です。しかし12cmという大きさになることや小競り合いやエビを捕食する性質があることを知らないで飼育すると後悔につながるので注意が必要です。
食害
サイアミーズフライングフォックスは水草水槽の食害の影響を感じたことはありません。基本熱帯魚の餌とコケを食べる習性が強い魚です。餌が少ない水草水槽でも草食性の強いカラシンのような葉の食害がでるようなことは少ないと感じます。
3.飼育方法
サイアミーズフライングフォックスは、丈夫で飼育しやすい熱帯魚です。水質は弱酸性から弱アルカリ性(PHの目安は6.5~7.5)の水質が適しています。初心者でも飼育しやすい熱帯魚の仲間になります。購入したばかりの小さい時期は群れで泳ぐ傾向があり見ていて愛嬌がありますが、成長ともに大きくなり単独で泳ぐようになりテリトリーが強くなる傾向があります。
水温
水温は23~28℃が適しています。夏の高温の室温37℃、32℃近くになる水槽でも飼育できていますが水温対策が重要になります。
水槽サイズ
水槽サイズは30cmキューブサイズ(27L)以上の水槽で飼育したい魚です。小型水槽の場合は大型水槽で飼育するほど巨大化するような成長はしませんが、小さい水槽なのか原因はわかりませんが、老化現象時に現れやすい背が曲がる状態になる場合があります。
水合わせ
購入したら、袋を水槽に浮かべて水温合わせをします。水温合わせが終わったら、袋からバケツに移し、水槽の水:袋の水が2:1程度の割合になる程度で水合わせをします。今回の水温合わせ15分、水合わせ10分程度の短めにおこないました。
餌の与え方
サイアミーズフライングフォックスは、人工飼料のフレークや顆粒タイプなどなんでもよく食べてくれます。しかし与えすぎると、本来のコケ取り効果を下げてしまいます。またサイアミーズフライングフォックスは12cm程度まで大きくなる熱帯魚なので、食べ過ぎて巨大化させないような餌の与え方が必要です。逆にサイアミーズフライングフォックスのサイズが非常に小さかったり、餌が無く痩せてくるようであれば、コリドラス用のキョーリン ひかりクレスト コリドラスなどを与えるとよいでしょう。
飛び出し対策
サイアミーズフライングフォックスは飛び出し事故の多い種類の魚です。飛び出しやすい時期は購入から1~2週間水槽に入れたばかりの時期、さらに10cm以上までに成長してテリトリーが強くなってきた時期からも飛び出しやすくなります。飛び出しやすいフレームレスの水槽にはアクアフランジを使って魚やエビの飛び出し対策すると良いでしょう。
4.コケ取り効果を高める方法
サイアミーズフライングフォックスのコケの除去効果を発揮させるには、「コケの発生の原因をあらかじめ改善しておく」、「コケは掃除で除去しておく」この2つをあらかじめ行っておくことで、サイアミーズフライングフォックスのコケの除去効果は最大限に引き出せます。逆に、コケの発生源を改善しなかったり、掃除せずコケが大量に発生していた場合は効果を感じられないことがあります。
コケ取り生体を入れる前にやっておくべき3つの対策
コケ取り効果を出すにはコケの発生原因を改善して、コケの発生が抑制された状態にすることが重要です。
- 光量を弱める・点灯時間を6~7時間にする
- あらかじめコケを除去する
- 水換えをする(週2回が目安)
5.飼育記録
水草水槽のRO水による軟水の水槽でも問題なく飼育できます。比較的大きくなる魚なので、60cmワイド3匹、標準60cm水槽1匹、30cm水槽1匹の抑えめの数で飼育しています。
30cm水槽
30cmキューブ水槽の石組レイアウトにサイアミーズフライングフォックスを1匹いれた効果を紹介します。この水槽は、小型熱帯魚が10匹程度、ヤマトヌマエビが3匹、オトシンネグロが2匹飼育した水草水槽です。ヤマトヌマエビとオトシンネグロによる黒髭コケ効果が少なく、黒髭コケが石について2週間に1回程度に掃除の際にコケの除去が必要でした。サイアミーズフライングフォックスを1匹の効果は、定期的な黒髭コケの除去作業が必要なくなり、コケ取り効果を感じるようになりました。写真は投入直後と3週間後の石についた黒髭コケの様子です。あまり変わらないようですが、微妙に減っています。またヘアーグラスや、器具に付いた黒髭コケもサイアミーズフライングフォックスによるコケ取り効果を感じます。
6.サイアミーズフライングフォックスの写真
7.価格・選び方
サイアミーズフライングフォックスの購入時に意識していること、気をつけていることを紹介します。
購入のポイント
サイアミーズフライングフォックスは12cmになることを考慮して購入することが重要です。また水槽に入れるタイミングは水槽立ち上げから1~3週間後、水槽内の透明度が上がってから購入したいです。
水槽サイズ別の飼育数目安
サイアミーズフライングフォックスは最大に成長した場合のときを考慮した飼育数の目安になります。1匹の飼育でも十分コケ取り効果を発揮しやすい魚ですので、飼育は少なめの数からがおすすめです。
水槽サイズ | 水量 | 飼育数 |
---|---|---|
目安 | 30L | 1匹 |
30cmキューブ水槽 | 27L | 1匹 |
45cm水槽 | 34L | 1匹 |
60cm水槽 | 60L | 2匹 |
90cm水槽 | 166L | 3~5匹 |
120cm水槽 | 219L | 4~7匹 |
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商品名 | 価格 | 購入目安 | 備考 | ||
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楽天 | アマゾン | Yahoo!ショッピング | |||
サイアミーズフライングフォックス(2匹) | 980円 | 990円 |
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チャーム |
サイアミーズフライングフォックス(4匹) | 1,140円 | 1,160円 |
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チャーム |
サイアミーズフライングフォックス(10匹) | 1,890円 | 1,930円 |
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チャーム |
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