オトシンクルスの魅力・コケ取り効果を高める方法
オトシンクルスは愛称オトシンと呼ばれる水槽のお掃除屋さんとして人気の熱帯魚です。私も大好きな魚です。そんなオトシンの魅力を短い動画(4分)にして作ったのでまずはご覧ください。
いかがでしたか?愛嬌のある動きがほんと可愛いですよね。長年飼育してきたオトシンクルスの飼育方法や死因など初心者にもわかりやすく解説していきます。
1.特徴
オトシンクルスは褐色の背部に斑点のような模様が入り、体の側面に黒い線が入ります。水槽のガラス面や水草についたコケを食べてくれる強い味方です。常に水槽内の葉や水槽のガラス面に張り付いて、モフモフとコケを食べてくれる働き者の熱帯魚です。体長は4cm~5cm程度の大きさになります。性格は非常におとなしくほとんどの種類の熱帯魚と混泳できます。水槽はよく水草が茂った環境を好みます。ショップでは必ずと言っていいほど定番の熱帯魚の為、比較的安価で購入しやすい熱帯魚です。
オトシンクルスの外観
別名 | – |
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学名 | Otocincrus sp. |
分布 | ペルー、ブラジル、コロンビア |
体長 | 4cm~5cm |
分類 | ナマズ目 ロリカリア科 |
餌 | フレーク 顆粒 |
価格 | 300円~ |
水質 | 弱酸性~中性 |
水温 | 23~27℃ |
おすすめ度 | ★★★★☆ |
2.飼育方法
オトシンクルスの飼育は安定した水槽では比較的容易に飼育できますが、立ち上げたばかりの水槽や水替えの少ない水質の悪化した水槽では突然しなせてしまうことがある熱帯魚です。飼育はよく茂った水草水槽での飼育が理想的です。オトシンクルスのコケの除去効果は、茶ゴケに効果があります。黒髭ゴケなどにはヤマトヌマエビのほうがコケ対策には良いです。
水質
水質は弱酸性から中性(PHは6.5~7.3)を好みます。ソイルでの飼育が理想ですが、砂利での飼育も問題なく飼育できます。
水温
水温は23~27℃が適しています。夏は室温37℃、30℃を超える水槽でも死ぬようなことはありませんが、やや夏場は落ちやすい印象があるので30℃を超える水槽では冷却ファンなどの水温対策が重要です。
混泳と水槽サイズ
オトシンクルスは多くの魚と混泳が可能です。オトシンクルスの大きさの魚を捕食するような大型魚や混泳が難しい魚以外は混泳できます。もちろんヒーターを設置した水槽なら熱帯魚じゃないメダカとの混泳も可能です。水槽サイズは30cmキューブサイズ(27L)以上の水槽で飼育したい魚です。生体として水槽内のコケを主食として生きていますので、他の熱帯魚より水を汚すようなことは少ない魚です。水槽サイズに合わせた飼育できる数の目安は購入のポイントをご覧ください。
水温合わせと水合わせ
購入したオトシンクルスは、水温合わせと水合わせが必要です。そのまま袋の水を水槽にいれるのではなく、まずは購入した袋を水槽に浮かべて水温合わせをします。水温合わせが終わったら、水槽の水と袋の水をバケツに入れて水合わせをしていきます。詳しい水合わせの方法はこちらの記事をご覧ください。水合わせから水槽に入れる際の注意は、ネットにオトシンクルスのヒレや鱗をひっかけてしまう場合があるので注意ください。
餌の与え方
餌は混泳水槽であれば特にオトシンクルス用に与える必要はなく、水槽内のコケを食べて十分大きくなります。しかし水草水槽などで魚がいない餌を与えない水槽で、コケが発生している場合でも長期的にオトシンクルスに餌を与えないという環境はよくありません。オトシンクルスもコケだけでの長期生息は厳しく、餌を与えない水槽でもきちんとオトシンクルスにも餌を与える工夫が必要です。魚がいない餌を与えない水槽の場合、オトシンクルスだけに餌を与える方法は、まず餌を認識させる必要があります。3~4日に1回、少量の沈降性のある餌を細かくして水草の葉の上や底床に落とすように与えていきます。もし食べ残しが半日以上ある場合は水質の悪化になるので必ず取り除きます。私はテトラ プランクトンを少量を与えています。
繁殖
オトシンクルスの繁殖は難しいとされています。繁殖時期にはメスはお腹を大きくさせ、オスがメスを追う行動をみせます。水替えなどの水質変化がきっかけで産卵をすることがあります。産卵は葉の上やガラス面に産み付けます。稚魚の餌はインフゾリアなどを与えるとよいでしょう。インフゾリアはキャベツやレタスを水の中で腐敗させ微生物を発生させたものです。市販ではインフゾリアの元も売られています。ある程度大きくなるとブラインシュリンプも食べてくれるようになります。
寿命
オトシンクルスの環境や個体差はありますが寿命は3~5年といわれています。しかし私の経験では安定した水草水槽でも2~3年で寿命がきてしまう印象があります。
死因
オトシンクルスの購入から一週間以内に死んでしまう原因は、大きく二つ考えられます。一つ目は運搬中のストレスで弱って死なせてしまう場合です。二つ目は水槽の状態に問題が原因で死なせてしまう場合です。一つ目の原因の場合は、続けて死ぬことはありませんが、二つ目の水槽の状態に問題がある場合は、オトシンクルスは次々死んでしまうことがあります。特に初心者の方がやってしまう失敗としては、立ち上がっていない水槽にオトシンクルスを入れてしまう場合です。水槽は水を入れてから1~2週間経過した水の立ち上がった状態(水の濁りがない澄んだ状態)の水槽に、最初は少ない数の熱帯魚を入れていく必要があります。また水替えの少ない汚れがたまりやすい水槽の状態ではストレスや病気で死ぬことがあります。水草水槽では、生体がヤマトヌマエビやオトシンクルスのみで、餌を与えない場合にオトシンクルスが突然死ぬことがあります。コケが発生していても、餌を与えない水槽では餓死してしまうことがあります。
飛び出す原因
オトシンクルスは大人しく飛び出すことは少ない魚ですが、それでもやはり飛び出す場合があります。飛び出しやすいケースは、購入から1~2週間水槽に入れたばかりの時期、また水位が高い水槽、さらに水槽内にテリトリーにうるさく、オトシンクルスを追いかけるような場合です。詳しくは熱帯魚の飛び出す原因と防止策をご覧ください。
3.コケ取り効果を高める方法
オトシンクルスは葉についた薄いコケ(茶ゴケ)などを好んで食べます。既に発生した糸状のコケにはヤマトヌマエビやミナミヌマエビ、サイアミーズフライングフォックスの方が効果的に除去できます。オトシンクルスのコケの除去効果を発揮させるには、「コケの発生の原因をあらかじめ改善しておく」、「コケは掃除で除去しておく」この2つをあらかじめ行っておくことで、オトシンクルスのコケの除去効果は最大限に引き出せます。逆に、コケの発生源を改善しなかったり、掃除せずコケが大量に発生していた場合は効果を感じられないことがあります。
コケ取り生体を入れる前にやっておくべき3つの対策
コケ取り効果を出すにはコケの発生原因を改善して、コケの発生が抑制された状態にすることが重要です。
- 光量を弱める・点灯時間を6~7時間にする
- あらかじめコケを除去する
- 水換えをする(週2回が目安)
4.飼育記録
5.オトシンクルスの種類
オトシンクルスの種類には、オトシンネグロやニューゼブラオトシン(ゼブラオトシン)も人気です。
オトシンネグロ
オトシンネグロは、茶色一色で地味なタイプのオトシンです。水草水槽では、地味で目立たない存在の為レイアウトの景観を壊すことの少ない影の働き者です。オトシンネグロの特徴や価格はこちらの記事をご覧ください。
ニューゼブラオトシン(ゼブラオトシン)
ニューゼブラオトシン(ゼブラオトシン)は、白と黒の模様が特徴のオトシンクルスです。ニューゼブラオトシン(ゼブラオトシン)は鑑賞価値もあり見ていて、かっこいいと感じるオトシンです。
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6.オトシンクルスの写真
7.価格・選び方
オトシンクルスの購入時に意識していること、気をつけていることを紹介します。
購入のポイント
オトシンクルスの購入数は30~45cm水槽であれば2~3匹、60cm水槽は3~6匹、90cm水槽は8~15匹の数が目安になります。水槽に入れるタイミングは水槽立ち上げから1~3週間後、水槽内の透明度が上がってから購入したいです。
★:購入経験あり・次も購入したい
、
●:購入候補に入れたい
○:購入経験あり
最新の内容は価格一覧の値段のリンク先から確認ください。
水槽サイズ | 水量 | 飼育数 |
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目安 | 15L | 1匹 |
30cmキューブ水槽 | 27L | 2匹 |
45cm水槽 | 34L | 2~3匹 |
60cm水槽 | 60L | 3~6匹 |
90cm水槽 | 166L | 8~15匹 |
120cm水槽 | 219L | 10~20匹 |
商品名 | 価格 | 購入目安 | 備考 | ||
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楽天 | アマゾン | Yahoo!ショッピング | |||
オトシンクルス(3匹) | 980円 |
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チャーム | |
オトシンクルス(6匹) | 1,680円 |
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チャーム | |
オトシンクルス(12匹) | 2,920円 |
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チャーム |
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