園芸用品の固形肥料を使ってみる ~マグァンプK 導入編~

水草の育て方で伝えるのが難しいテクニックのひとつに肥料の与え方があります。難しい理由は2つ、1つ目にアクアリウム用品の肥料には成分表が記載されていない製品が多いこと、2つめに毎日与える餌の量や水草の植栽の量によって、水槽内の栄養分量が違ってくることです。
そんな肥料の与え方をより正確に知るために、肥料の栄養分濃度、水槽内の栄養分濃度、与えてる餌の栄養分濃度、水道水に含まれている栄養分濃度を測定した上で長年肥料を与えてきました。水槽内の栄養分の蓄積傾向は、主要な栄養分(窒素、カリウム、リン)は毎日の餌を与えることで十分足りていることが多いです。水槽内では不足がちとされるカリウムも餌や水道水から十分に供給されることが多いです。
しかし十分水中に栄養分があり、CO2、光量、水質(硬度)、温度を一定に保たれ、水草がよく育つ環境でも、底床の栄養分が不足するこで成長不良の症状が現れることがあります。
水草がよく育つ低い硬度、十分なCO2、光量を確保した水槽で、1年ちかく底床に固形肥料を与えていない2本の水槽に園芸用品の固形肥料を使いどのような効果があるのか、コケの影響などを観察して見ようと思います。
実験や検証を記事にすることは少なく、そんな日々水草水槽に取り組んでいることを日記で紹介したいと思っています。動画ではボツになるような企画・実験も多いですが、多くのアクアリストが興味のわく日記にしたいです。
今回使ってみた固形肥料はマグァンプKという園芸用製品です。リン酸やマグネシウムの割合が高く、通常はアクアリウムで使う選択肢としては不向きのように感じますが、次の理由から使って見ることにしました。
メーカーの説明では、マグァンプKは水に溶ける成分として約10%、水に溶けない(根酸や微生物により徐々に溶けだす成分、溶けにくい成分)として約90% の計100%で構成されているそうです。つまり90%は水草の根やバクテリアによって徐々に分解され、水草に吸収される性質のある固形肥料です。さらにマグァンプKは肥料成分が均等に溶け出すため、水に溶けやすい窒素やカリウムに比べると多く配合しているリン酸は底床に残りやすくなっています。
たとえば規格の60cm水槽に10gのマグァンプKを追肥した場合、水槽内には下記の成分が供給されます。
追肥量10g | N | P | K | Mg |
---|---|---|---|---|
100%の場合 | 4.9 | 32.9 | 4.9 | 12.3 |
単位ppm:マグァンプKを溶かした濃度
さらにその10%水中に溶け出した下記の成分を水換えによって減らすことで、コケの影響を最小限にできます。
追肥量10g | N | P | K | Mg |
---|---|---|---|---|
10%の場合 | 0.5 | 3.3 | 0.5 | 1.2 |
このような方法で使うことで残り90%の成分を水中に溶け出さない為、コケの影響を最小限しながら長期にわたり栄養分を水草やバクテリアに供給できます。園芸用品を使うメリットは、成分表や製品の特徴がわかることで、肥料の与え方が明確になります。さらに価格も安いのも嬉しいですね。
次回はマグァンプKを使った経過を水草の成長やコケの影響と合わせて、NH4、NO3、PO4、TDS、KH、PHの変化を確認しようと思っています。
価格・種類
マグァンプKは小粒、中粒、大粒の3種類の大きさがあります。今回使用したのは大粒の大きさです。大粒はピンセットで追肥する際に扱いやすい大きさです。中粒はかなり小さい粒になり、小粒は極小の粒で粉状に近い大きさです。
商品名 | 価格 | 備考 | ||
---|---|---|---|---|
楽天 | アマゾン | Yahoo!ショッピング | ||
ハイポネックス マグァンプK 大粒 200g 元肥 | 478円 | 480円 |
|
200g |
ハイポネックス マグァンプK 大粒 500g | 798円 | 772円 |
|
500g |
ハイポネックス マグァンプK 大粒 1.1Kg | 1,480円 | 1,192円 |
|
1.1Kg |
※最新の価格は一覧のリンク先から確認してください。見つからない場合は楽天で探すのリンクから検索できます。 |
楽天で探す |
![]() アマゾンで探す |
|
---|
マグァンプKを使った1ヶ月後の水草水槽の様子はこちらのレポート記事で紹介しています。
CO2器具の選び方、水槽、照明、ソイル、流木、石など水草水槽やレイアウト水槽で使って良かった記事6選
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません