【PH計・PH測定器】PHメーターの選び方

これまでPHメーターは国産製品からアマゾンで売っている安価な海外製品まで様々な製品を使ってきました。今回はいろいろな製品を使ってみた経験から製品の違いや選び方など、はじめてPH測定器を購入する方やPHメーターの購入を検討されている方向けにわかりやすく紹介します。
1.PH測定器の選び方
PHの測定方法は、PHメーター(デジタル式)、試薬液、試験紙の3つの方法が一般的です。PHメーター、試薬液、試験紙のメリット、デメリットを知り、予算や目的に合わせて選ぶことが大切です。
PHメーターの特徴・メリット・デメリット
PHメーターは、数値で結果が把握できます。コンマ0.01まで測定できる機種もあります。数値を比較したい場合や記録を残す場合に適した測定方法です。価格は2,000円~30,000円のものが多いです。
メリット
PHメーターは数値で把握できるので、試薬液や試験紙と違って色の判定による個人差はでません。特に微妙なPHの違いや水質変化の推移などの測定にはPHメーターが使いやすいです。
デメリット
精度を保つために定期的な校正が必要です。センサーも消耗品で寿命があり交換が必要です。
試薬液の特徴・メリット・デメリット
試薬液は測定したい水に、試薬液を数滴入れて、色の変化を見てPHの値を測定できるタイプの測定方法です。とても使いやすくアクアリウムでもよく使われる測定方法です。価格は1,000~2,000円程度のものが多いです。
メリット
簡単に測定できます。測定の精度はPHメーター>試薬液>試験紙という順にPHメーターの次にわかりやすい測定方法だと感じます。
デメリット
試薬液には使用期限があり、開封から徐々に制度が落ちます。また色がついた水や濁った水の測定には向いていません。
試験紙の特徴・メリット・デメリット
試験紙は、測定したい水に試験紙を付けて、比色紙と比較してPHの値を測定します。価格は1000~2,000円程度のものが多いです。
メリット
PHを測定する方法としてはもっとも簡単な方法です。他の測定方法と比べて、一番コストがやすく気軽に測定できることで幅広い用途で使われています。また試験紙の判定をスマホのアプリを使って判定する製品もあります。
デメリット
試験紙には使用期限があり、開封から徐々に制度が落ちます。測定方法としては、精度が低い測定方法に感じます。PHの微妙な変化や推移などの測定には向いていません。
2.価格帯別のPHメーターの特長
PHメーターは数千円の安価な製品から数万円の高価な製品まで、多くの種類の製品が販売されています。PHの測定方法は、一緒の手順ですが、実際に安価な製品と高価な製品を使ってみると違いは感じられます。
5,000円以下
予算が5,000円以下なら、PHメーターより試薬液、試験紙の方が扱いやすく感じます。その理由としては、実際にアマゾンの安価なPHメーターを使ってみましたが、使い始めは良いのですが、使っているうちに測定が安定しなくなりました。また校正方法も粉末状のものから精製水を使い標準液を作る為、手間がかかります。耐久性や校正の手間を考えると、試薬液、試験紙の方が扱いやすく感じます。もしPHメーターをアマゾンなどで購入する際は、レビューの低評価の☆1や2の評価を確認するのも参考になります。

5,000円~10,000円
アクアリウム製品では、5,000円~10,000円のPHメーターが多いです。この価格帯の製品は、試薬液や試験紙などと比べて扱いやすいです。アクアリウム用ならエコペーハーが使いやすいです。
10,000円~30,000円
精度が求められる場合や使用頻度が多い使い方の場合は、しっかりした製品を選ぶことをおすすめします。今回はじめて国産の堀場アドバンスドテクノ(堀場製作所)のPHメーターを使い、安価な製品やアクアリウム製品と比べて、やはり性能や使いやすさは大きく違いを感じました。
3.日本製PHメーターの実力
これまで様々なPH測定器を使ってきましたが、やはり一番性能が良く安心感のある製品は国産のPHメーターでした。なにが一番違うかというと、やはり継続的に使った時の中性付近の値の変化の分かりやすさです。安価な製品、アクアリウム製品含めて、使い始めは気にならないのですが、使っているうちに中性付近6.5~7.5の結果が不安定になります。今回使った国産のPHメーターは中性付近もキビキビした動きで結果が確認しやすかったです。特に今まで使っていたアクアリウム製品や安価な海外の製品と比べて下記の2つの点に違いを感じました。
利用シーンが広い
少量を測定できるメリットは大きく2つあります。1つ目は果汁などこれまで測定しずらかった少量の液体を測定できるようになります。PH測定の幅を大きく広げる画期的な製品だと感じました。2つ目は校正のしやすさ、精度を保つために校正は必須になりますが、少量の標準液で校正できるため、使う前に気軽に校正できます。
安心感がある
アクアリウム製品のでは使用回数は約400回程度でのもを使ってきましたが、堀場アドバンスドテクノ(堀場製作所)のコンパクトpHメータは約1,500回と4倍近い耐久性があります。また水の中に落としても大丈夫な防水性なため使用していても安心感があります。
4.おすすめのPH測定器
私が使用してきた中で特におすすめしたい3つの製品を紹介します。
初心者におすすめ
はじめてPHを測定する方におすすめしたいのはテトラ テスト ペーハートロピカル試薬です。私は30年近くテトラ テスト ペーハートロピカル試薬を使っています。初心者だったころからPHメーターを所持している今でも使うことがあります。テトラ テスト ペーハートロピカル試薬は50回分も測定でき、使用期限(未開封なら4~5年)も長いのでとても重宝しています。
商品名 | 価格 | 備考 | ||
---|---|---|---|---|
楽天 | アマゾン | Yahoo!ショッピング | ||
テトラ テスト ペーハートロピカル試薬 | 1,387円~ | 958円 |
|
アクアリウムにおすすめ
PHメーターは様々な製品を使いましたが、マーフィードの機種は3代目になり、15年以上このシリーズのPHメーターを使っています。新しくなったエコ・ペーハーDUOは、水温測定や防水機能が備わって使いやすくなっています。安価なPHメーターを探している方におすすめしたい製品です。
商品名 | 価格 | 備考 | ||
---|---|---|---|---|
楽天 | アマゾン | Yahoo!ショッピング | ||
エコ・ペーハーDUO | 7,470円~ | 8,500円 |
|
|
マーフィード エコペーハー pHメーター標準液 90ml | 1,163円 | 1,290円 |
|
実験や仕事・業務におすすめ
今回おすすめする3つの中で一番精度の高い製品です。正確さを求める研究や実験など使用頻度が高いユーザーにはコンパクトpHメータがおすすめです。もちろんアクアリウムにもおすすめしたいです。コンパクトpHメータは3機種あり、校正点数が違い、LAQUAtwin-pH-33Bの校正点数は最大5点あり3機種の中の最上位機種です。次にLAQUAtwin-pH-22Bの校正点数は最大3点で、上位機種のpH-33Bと同様の精度(±0.01pH)を備わった機種です。pH-22Bはこの記事で紹介した機種になります。LAQUAtwin-pH-11Bの校正点数は最大2点、精度(±0.1pH)で、一番安価な製品です。アクアリウムにはpH-11Bの性能があれば十分です。コンパクトpHメータの3機種は研究室用と同じガラス電極、温度補償機能を採用された製品です。ラクアツイン コンパクトpHメータは熱帯魚の飼育水・河川・湖沼・温泉・排水・土壌・発酵・醸造・化学・薬品・学校教育向けに販売されている製品です。
商品名 | 価格 | 備考 | ||
---|---|---|---|---|
楽天 | アマゾン | Yahoo!ショッピング | ||
LAQUAtwin-pH-11B | 19,800円~ | 21,514円~ |
|
校正点数:最大2点、精度:±0.1pH |
LAQUAtwin-pH-22B | 24,530円~ | 25,940円~ |
|
校正点数:最大3点、精度:±0.01pH |
LAQUAtwin-pH-33B | 27,628円 | 31,275円~ |
|
校正点数:最大5点、精度:±0.01pH、温度センサ調整機能(LAQUAtwin-pH-33Bのみ) |
pH標準液(pH6.86) | 3,300円 | 3,630円 |
|
|
pH標準液(pH4.01) | 3,300円 | 3,167円 |
|
PH測定する際は【PH計・測定器】本当にその測定は正しい?水質測定の使い方のコツも合わせてご覧ください。
CO2器具の選び方、水槽、照明、ソイル、流木、石など水草水槽やレイアウト水槽で使って良かった記事6選
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません