水槽のコケ対策 除去の手順・消えるまでの時間

2023年9月21日

水槽管理の永遠の悩み、それは水槽に発生するコケ対策です。コケの発生しない綺麗な水槽は初心者だけではなく、ベテラン・プロまでアクアリウムの永遠のテーマです。この記事では何故コケが発生するのか?発生したコケをどうやって除去したらよいのか?綺麗な水槽を作るためのコケ対策を解説します。

1.主なコケの発生の原因

熱帯魚水槽や水草水槽など水槽環境の違いによって、発生しやすいコケの種類は違ってきますが、主に次の2つが原因でコケは発生します。

  • 汚れ・栄養分の蓄積
  • 光が強すぎる
汚れ・栄養分の蓄積

水槽サイズに対して、魚の数が多すぎたり、餌の量や回数が多い場合、水槽の換水量が足りず水槽内に汚れ・栄養分が蓄積することでコケが発生しやすくなります。

汚れ・栄養分の蓄積
汚れ・栄養分の蓄積

魚のいない水槽でも、底床のソイルからコケの発生の原因となる栄養分が発生するため、水槽立ち上げ時初期は換水により栄養分を減らす必要があります。

ソイルからコケの原因の栄養分が発生

光が強すぎる

光が強すぎる

水草がよく育つLED照明は、コケの発生も促進しやすいです。水槽立ち上げ初期や水草が少ない水槽では照明の光量を調整する必要があります。

2.コケ対策

コケ抑制・除去方法の種類や特徴、コケ対策の基本から除去方法の一連の流れを解説します。

コケ抑制・除去方法の種類

4つの抑制・除去方法の種類を5つ星★で効果を紹介します。抑制効果はコケの発生スピードを遅らせます。コケの除去効果はコケにダメージを与えて減らします。

  • 光量調整(除去効果★★★★★・抑制効果:★★★★★)
  • 水換え方法(除去効果☆☆☆☆☆・抑制効果:★★★★☆)
  • コケ取り生体(除去効果★★★☆☆・抑制効果:★★★★☆)
  • コケ除去剤(除去効果★★★★☆・抑制効果:★★★★☆)
光量調整

光量や点灯時間を調整することで、コケの発生を抑制したりコケを除去する効果があります。光量と点灯時間を調整することで水草を枯らさずにコケだけを除去することが可能です。

光量調整

水換え方法

適切な水換えによりコケの発生しづらい水槽管理が行なえます。初心者は水換えの見極めがわからずにコケが大発生するケースが多いです。

水換え方法

コケ取り生体

水槽の立ち上げ時や慢性的にでるコケをエビや魚により対策できます。水草水槽ではコケを食べる生体によるコケ対策は定番の方法です。

コケ取り生体

コケ除去剤

上記の3つの方法で抑制や除去できない場合の最終手段として、コケ抑制剤を使うことがあります。効果は製品によって大きく違います。効果の違いはコケ抑制剤の除去効果の比較をご覧ください。

アクアリウム用のコケの抑制剤

コケ対策の基本

コケ対策の基本は手順1~5によりコケを抑制・除去します。

手順1コケを取り除く

まず最初にガラス面や器具についた水槽内の目につくコケを手作業で除去します。

掃除前

コケを取る
水草のコケの落とし方

水草に付着したコケは手で取れない場合はハサミでカットします。

コケがついた見苦しい葉はカットする

水槽内のゴミやコケはネットですくい取ります。
コケをすくい取る

掃除後
手順2水換えをする(2~3日、ひどい場合は2日1回)

約3分1換水します。水換え方法のコツや注意点は水草水槽のコケを発生させない為の水換え方法をご覧ください。

水換えをする

手順3光量を調整する

光量を弱くし、点灯時間は6時間程度に短い時間に調整します。

光量を弱める

手順4コケ取り生体を入れる

コケ取り生体を入れる。コケ取り生体の種類はおすすめのコケ取り生体の記事をご覧ください。

コケ取り生体を入れる ヤマトヌマエビ

手順5経過の観察とコケ抑制・除去作業の継続

手順1~2の作業を週2回行い、約1ヶ月間継続して行います。2~3週間で徐々に効果が現れます。コケが減ってきても継続して「手順1コケを取り除く」「手順2水換えをする」を繰り返します。コケの発生がおさまらなければ光量を更に弱めます。

コケが消えるまでの時間・確認方法

コケの除去効果はコケの種類や水槽環境によって違ってきます。見た目には数日で消えてしまうコケもありますが、通常は4~6週間程度の時間をかけてコケを減らしていきます。コケの発生スピードを短期、中期、長期にわたり観察します。

掃除後

ガラス面のコケが短い期間(1~4日以内)に発生する場合は、水槽内に栄養分が蓄積している証拠です。水換え頻度を増やし光量を弱める目安になります。
掃除後からコケの発生スピードを観察する

短期:1週間以内

水槽内のコケを取り除く作業を1~2回繰り返した1週間以内ではコケの種類によっては、減らずにコケが発生し続ける場合があります。この時期はコケが減らなくても焦らず、コケ対策の基本を継続して行うことが大切です。

中期:2~4週間

水槽内のコケを取り除く作業を4~6回繰り返した2~4週間後は、コケが水槽から減りだします。しかし少し減りだしたからといって、油断せず水換えやコケを取りの作業は継続しておこないます。コケの発生がおさまらない場合は、水換え量を増やし、光量をさらに弱める必要があります。

長期 :5週間~

水槽内のコケを取り除く作業を8~10回繰り返した5~6週間後は多くのコケを撲滅または減少させることができます。この時期に改善しないコケは、水草水槽に発生しやすいアオミドロや藍藻類が残りやすいです。5週間経過して、減らないコケは光の遮断やコケ抑制剤による方法により除去します。光の遮断の遮断によるコケの除去方法は「水草を枯らさずに10日間でコケを完全撲滅?!」、藍藻類の除去方法は「藍藻類の発生原因と高速除去方法」の記事をご覧ください。

3.コケ対策について(持論)

コケ対策で一番に伝えたかったのは、1回の掃除やコケ除去の作業では、コケを完全に取り除くのは難しく、継続的にコケ対策を行っていく必要があるということです。またコケの発生スピードをよく観察することが大切です。目安になる水換えの頻度の回数や時間・期間を記載することで、コケのでない水草水槽を作るための手間、作業がわかるようにしました。こうやって見ていくと、一度コケが発生してしまうとコケの除去は大変に感じるかもしれません。しかし紹介したコケ抑制・除去方法は、綺麗な水槽でも同じような手順を行ってコケを発生させないための管理を行っています。

コケが発生した水槽が今回の方法で改善した場合、その水換え頻度や光量が目安になります。

綺麗な水槽の管理方法

  • 「抑制・除去方法」≒「綺麗な水槽の管理方法」

継続してコケの抑制方法やコケの除去方法をメンテナンスとして使っていくことが綺麗な水槽づくりのコツになります。

edit_squareあわせて読みたいコケ対策記事5選

コケを出さないための水換え方法、コケの種類や発生原因、水槽のコケ対策、除去方法、おすすめのコケ取り生体など綺麗な水槽づくりに役立つ記事5選